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炎上をマーケティングと呼ばないでほしい

2011 年 3 月 7 日 コメント 2 件

インターネット上での炎上という事象は、ずっと以前からありました。掲示板でのやりとり、ブログ記事へのコメント投稿など、その舞台は少しずつ広がってきたと思います。

そしてこの1週間ほど、Twitterで起こった2人のやりとり(ただし私には一方的な攻撃に見えました)が波紋を呼んでいます。ソーシャルメディアが今後大きな役割を果たしていく上で、この事象は最後までちゃんと決着をつけなければならないと考えています。数ヶ月経って風化するのではなく、ソーシャルメディアに関わる誰もが、その使い方、接し方について一定の理解が得られるようになるべきです。

さて、これに関連して、当事者であるネットメディア編集長(今時点で解任されているので元編集長ですが、このエントリでは編集長と記述します)と、そのメディアを運営している会社の代表が、したり顔で「俺たちは炎上マーケティングの第一人者である」ということを公言しています。

彼らのいう「炎上マーケティング」とは、ネット上でいろんなトラブルを故意に発生させ、多くの人に注目してもらうことで、自社や関連サービスの(ポジティブとは限らないが)露出を獲得するものです。今回は、編集長が女性の投稿に対して難癖をつけ、その後再三にわたって罵詈雑言を浴びせ、勝手に終了して去っていく、というものでした。この手法は、炎上の対象にさせられた人、コト、モノが受ける非条理な(精神的、金銭的などさまざまな)損害が発生することが前提になっています。

こうした社会システムに反する手法をあたかも「マーケティング」のひとつのように扱われることは、我慢なりません。露出アップ、認知度アップということだと、広告やPRと同じ効果を目指しているのだけれど、(主に)個人を攻撃することで実現できる手段・手法はおよそ認められるものではありません。

重ねて、件のメディア運営会社トップは、「炎上」に対応するプロであり、そのためのコンサルティングを始めたと発表しています。自分たちから火のないところに発火させ、それを消しに行く役目を果たすという、まさにマッチポンプ。

(このコンサルティングサービスの発表内容も、多数の衛星ブログでエントリを作成し、検索エンジンにて上位表示を画策しているようです。多くの人はこれをSEOマーケティングと呼んでいるようですが、これもマーケティングと呼ぶのも勘弁してほしいです。)

いまは多くの人がマーケティングという言葉を簡単に使うようになりました。しかし、マーケティングという考え方が広がってきた初期の頃、「マーケティングとは、消費者をダマして自社商品を買わせようとすることだ」といった見方もあったと聞きました。違います。マーケティングとは、その商品やサービスを手に取り、使うことで、その人の生活に一定のいい効果が得られるよう、商品に関する情報を必要な人に伝達する技術、およびそのための情報収集技術のことだと思います。この炎上手法は、まさに人をダマし、ターゲットとなった人に甚大な被害を与えるものです。それをマーケティングだとは呼ばないでほしいです。

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ソーシャルメディア活用は「会話によるつながり」である:記事の紹介


Entrepreneurという海外のメディアに、ソーシャルメディアを活用して成功しているお菓子屋さんの記事がありました。ソーシャルメディアの良さとあわせて、どういうステップで成功したのか、ということがわかります。同じように考えている人は多いと思いますが、実践し結果が出ているという点で、いい事例紹介だと思います。

Baking, Listening and Selling
http://www.entrepreneur.com/article/217901

冒頭で、昨年の調査会社発表の数字として、Twitter上の投稿のうち、90%が消費者発信で、さらにその94%は個人的な投稿であり、企業ブランドにつながるものはたったの6%だった、ということが紹介されています。消費者がオンラインになっている時間の1/4をソーシャルメディア上で費やしているのに、企業が発信している内容というのは、うまく到達していないのでは、と問題提起しています。

そんな消費者とうまくリレーションを築き、顧客の94%をソーシャルメディア(ほぼTwitter)で獲得している事例が紹介されています。リアル店舗を持たず、オンラインでのみカップケーキを販売している 「Foiled Cupcakes」です。

高級菓子をオンラインで販売しているこの会社は2009年創業で、シカゴでのデリバリーを行っています。オーナーが行なったのは「ソーシャルメディア上のターゲットを絞って聞く」ことでした。

“I’m very comfortable with traditional marketing,” Luangrath says. “But I don’t want to market to everybody. I want to find the people who want to hear what I have to say and then, at the end of the engagement, purchase my product.”

「通常のマーケティング(おそらく広告のことを指していると思います)もよいのだけれど、誰にでも売るのではなく、私がシェアできることに耳を傾けてくれる人を見つけて、つながりができた最後に、購入してもらいたかった。」

検討した絞り込み方は下記の通り。

  • 地理的条件:シカゴ居住者。シカゴの公共ラジオのTwitterアカウントをフォローしている人に着目。
  • デモグラフィック:18歳から40歳の女性
  • 自分にとって会話が得意なトピック:チョコレート、ショッピング、靴

こうした条件にあうツイートを見つけると、上品に会話に参加します。

「かわいい靴を買ったの。」というツイートを見かけたときに、「写真に撮った?見せて、見せて。」

ブーツを探しているというツイートには「百貨店でかわいいのを見かけましたよ。」

仲良くなってきたら「ヒールがあるのとないのと、どっちが好き?」とみんなに質問

などなど。そのうち、アイコンにしている商品写真(カップケーキ)に関する質問をもらうことで、広告ではない自然な見込み客を獲得しています。

時間のかかる手法ではあるけれど、ことソーシャルメディア活用ということでは、その本質に則ったプロモーションであるといえるでしょう。

記事内のインタビューの中で、「engage」という単語が何度か出てきます。FreeやShareといったキーワードとともに、その先にあるソーシャルメディアで執るべきスタンスを言い表していると思います。

「Memolane」自分の投稿を時系列で統合・表示するサービス


Twitterのタイムラインで流れてきたサービスで、類似のもの(Life-xとか)はこれまでにもありますが、インターフェースが楽しいので、結構注目されるのではと思います。iPadアプリで人気だった「Flipboard」とコンセプトが似ているかもしれません。タイムラインでは「パーソナルタイムマシーン」と表現されていました。

Memolane
http://memolane.com/

紹介ビデオはこちら。

X軸(横方向)は時間(日ごとにまとまる)、Y軸(縦方向)はメディアごとにブロックになり、クリックすると展開されるUIになっています。(twitterだけは、ツイートごとに表示されてますね。もしかするとfacebookも。)

 

自分のコンテンツだけでなく、友人のコンテンツを加えて、時系列に追いかけられたり、自分のmemory laneを公開することも可能となっています。このあたりに使い方イメージがまだ湧かないですが、betaサイトにログインできるようになったら、またご紹介できると思います。

現在はベータサイトの登録を受け付けていて、徐々にユーザを増やしているところのようですので、興味のある方はサインナップしましょう。トップページにメールアドレスを登録するフォームがあります。

 

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Twitterverse: ツイッターアプリケーションのマップ


書籍やConversaton Prismなどを手がけているBrian Solis氏から、新たに「Twitterverse Ver. 1.0」なるものがリリースされています。twitterとuniverseをつないだ造語だと思いますが、ツイッターに関わるたくさんのツールを、以下の19のジャンルで分類し、マッピングしたイラストレーションです。

http://www.briansolis.com/2011/01/exploring-the-twitterverse/

  • Ring 1: ブランディング(Branding)
  • Ring 2: 地図情報(Geographics)
  • Ring 3: 関心マッピング(Interest Graph)
  • Ring 4: ダッシュボード(Dashboard)
  • Ring 5: イベント管理(Event Management)
  • Ring 6: ライブストリーミング(Live Streaming)
  • Ring 7: 緯度経度による位置情報(Geo Location)
  • Ring 8: リレーション(Relationships)
  • Ring 9: マーケティング&広告(Marketing and Advertising)
  • Ring 10: リッチメディア(Rich Media)
  • Ring 11: コミュニケーション管理(Communication Management)
  • Ring 12: リサーチ&分析(Research and Analysis)
  • Ring 13: ストリーム管理(Stream Management)
  • Ring 14: モバイルアプリ(Mobile Applications)
  • Ring 15: トレンド(Trends)
  • Ring 16: ソーシャルCRM(Social CRM)
  • Ring 17: クチコミ(Influence and Resonance)
  • Ring 18: 検索(Twitter Search)
  • Ring 19: 社会活動(Causation)
Twitterを中心において、その周囲を上記のような機能やデザインで軌道上に各アプリを配置しています。

日本由来のアプリはまだ掲載されていないように思います。また、Togetterのような、ツイートのまとめサービスは、ざっと見た感じ見つからず、意外と日本でその使い方が発展しているのかもしれません。

同じTwitterverseでも、日本版になると複雑な機能の軌道に乗る星たちの顔ぶれはかなり変わりそうです。画像や動画サービス、モバイルアプリのあたりは、英語版のままでも気にせず使えるということでしょうか。

高解像度の画像データも提供されています。

http://www.theconversationprism.com/media/images/twitterverse-poster-highres.jpg

かなり大きいですが、逆にすべてのサービスのロゴがちゃんと見られます。

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クチコミマーケティングは「語っていただく」こと


Web担当者Forumにある、

「豚組なう」で怒られる? クチコミを舞台裏からみるマーケティング

という、その主旨がわかりづらい記事に遭遇しました。この記事を執筆した宮脇氏は、六本木のしゃぶしゃぶのお店「豚組」がツイッターを活用したマーケティングを取り上げ、その手法が米国では禁断の手段であるようにも読める説明を加えています。

もっとも残念なのは、

マーケティングにおける「クチコミ」とは「仕掛け」によって「語らせる」ことであって、客が勝手にしゃべりだすのを祈ることはしません。

が、ソーシャルマーケティングの真髄だ、と説いているところです。おそらく、店のオーナー中村氏の著書「小さなお店のツイッター繁盛記」134ページにある記述と、その2ページ前にある広告業界の「スリーヒットセオリー」などとあわせて、「仕掛け」と「語らせる」という表現になったのかもしれません。

ツイッターで会話してお店にきてくれたお客様に挨拶にいき、おまけの一品を届ける。よかったらお友達に紹介してね、という会話をする。お客様がこの一連のコミュニケーションとサービスに喜ぶ。それを「商品で釣って言わせている」というのは、マーケティング手法のひとつとしての説明には短絡過ぎるでしょう。

私にとってこの著書の根幹は、情報過多とスピードアップのために顧客との関係作りさえも希薄になりつつある飲食店にとって、ツイッターで絆を強め、コミュニケーションを繰り返すことで、おのずと店のクチコミ情報が蓄積されていくことにあると思います。

私はクチコミマーケティングとは

  • 商品の消費・サービスの利用によって得た知識、体験情報を
  • それを必要としている人にデジタル・アナログネットワークを通じて届ける技術

と捉えています。中村氏が著書の中で記述しているさまざまな工夫は、この技術をうまくドライブをかけるものなんだと思います。

したがって、目指すのは消費者に語らせるのではなく、「語ってもらう環境を提供する」ことです。絆を強めた顧客に、店にだけ都合のよいことを語らせるという無礼なことなんてできないと思うのです。

また、今回の記事の最後に、宮脇氏は著者・中村氏や豚組とのリレーションがないことをわざわざ記述しています。本文中で金銭・商品を主体者からもらってレコメンデーションを行なうことが米国では規制されていることを紹介し、日本でも新聞などの既存メディアにおける「広告であることの明記」に言及していることから、中村氏の著書を記事内で取り上げたが、豚組との利害関係はないことを強調したかったのだろうか、と邪推してしまいます。または、豚組の成功と、それを支えた顧客との絆に対する嫉妬のようにも受け取れます。どちらにしても、かなりお粗末な締めくくりだと思います。

本文で伝えたいこととは無関係な内容ですし、それを読むことでクスッと笑えるオチや、ニヤリとさせるユーモアもありません。もし、本意でないなら、削除して訂正文を掲載するなり、追記するなりをしたほうがよいでしょうね。

ちなみに、私の場合、4年くらい前にとんかつにハマったときに知人から豚組の名前を聞いて食べにいったのが最初で、その後偶然しゃぶしゃぶのしゃぶ庵の前を通りかかって、ふらりと入ったのが2年ほど前でした。その後、ツイッターがきっかけになった昨年の試食会で中村氏にお会いし、その後もイベントや友人たちとの新年会などでお邪魔しています。毎回、おなかと心が満たされています。ちょっとぐらい遠くても、ああまた食べたいな、あの人と一緒に行きたいな、と感じる大切なお店のひとつです。そして、この私の豚組に対する感情が、上記にて書き連ねた著書に対する私の感想と、クチコミマーケティングの考え方をゆがめてしまうとは思っていませんし、読み手にそういう誤解を生むこともないはずです。

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