Entrepreneurという海外のメディアに、ソーシャルメディアを活用して成功しているお菓子屋さんの記事がありました。ソーシャルメディアの良さとあわせて、どういうステップで成功したのか、ということがわかります。同じように考えている人は多いと思いますが、実践し結果が出ているという点で、いい事例紹介だと思います。
Baking, Listening and Selling
http://www.entrepreneur.com/article/217901
冒頭で、昨年の調査会社発表の数字として、Twitter上の投稿のうち、90%が消費者発信で、さらにその94%は個人的な投稿であり、企業ブランドにつながるものはたったの6%だった、ということが紹介されています。消費者がオンラインになっている時間の1/4をソーシャルメディア上で費やしているのに、企業が発信している内容というのは、うまく到達していないのでは、と問題提起しています。
そんな消費者とうまくリレーションを築き、顧客の94%をソーシャルメディア(ほぼTwitter)で獲得している事例が紹介されています。リアル店舗を持たず、オンラインでのみカップケーキを販売している 「Foiled Cupcakes」です。
高級菓子をオンラインで販売しているこの会社は2009年創業で、シカゴでのデリバリーを行っています。オーナーが行なったのは「ソーシャルメディア上のターゲットを絞って聞く」ことでした。
“I’m very comfortable with traditional marketing,” Luangrath says. “But I don’t want to market to everybody. I want to find the people who want to hear what I have to say and then, at the end of the engagement, purchase my product.”
「通常のマーケティング(おそらく広告のことを指していると思います)もよいのだけれど、誰にでも売るのではなく、私がシェアできることに耳を傾けてくれる人を見つけて、つながりができた最後に、購入してもらいたかった。」
検討した絞り込み方は下記の通り。
- 地理的条件:シカゴ居住者。シカゴの公共ラジオのTwitterアカウントをフォローしている人に着目。
- デモグラフィック:18歳から40歳の女性
- 自分にとって会話が得意なトピック:チョコレート、ショッピング、靴
こうした条件にあうツイートを見つけると、上品に会話に参加します。
「かわいい靴を買ったの。」というツイートを見かけたときに、「写真に撮った?見せて、見せて。」
ブーツを探しているというツイートには「百貨店でかわいいのを見かけましたよ。」
仲良くなってきたら「ヒールがあるのとないのと、どっちが好き?」とみんなに質問
などなど。そのうち、アイコンにしている商品写真(カップケーキ)に関する質問をもらうことで、広告ではない自然な見込み客を獲得しています。
時間のかかる手法ではあるけれど、ことソーシャルメディア活用ということでは、その本質に則ったプロモーションであるといえるでしょう。
記事内のインタビューの中で、「engage」という単語が何度か出てきます。FreeやShareといったキーワードとともに、その先にあるソーシャルメディアで執るべきスタンスを言い表していると思います。