この数ヶ月の間、すごい勢いでカメラに関するたくさんの情報を仕入れていました。
タイムラプスをきっかけに、写真撮影の基本的な知識からさまざまな撮影機材についても、ネット上だけでなく友人やソーシャル経由で知り合った方々のお話をいろいろお聞きしました。
中でも、電動の自走式ドリーはなんというか、適度にハードルが高いが先達がそれなりにいることで「自分でもやれそう!」と思わせてくれる機材の1つでした。
先達として影響を受けたのは3名で、みなさんタイムラプス撮影のために自分が欲しい電動ドリーを自作されていました。福島で息をのむタイムラプス映像を撮影している清水さん、レゴのレールの上を走る四輪自走ドリーを何台も制作している池田さん、そしてYouTubeやブログで家具用スライドレールを活用して作った方です。
今回、試しに作ってみた自家製電動ドリーは、3人めのスライドレール型を真似たものです。ウチにはドリル系の工具がないので、最小限の加工で組みました。
大まかな構成は下の図の通りです。
1.動力部
- TAMIYAウォームギヤボックス(モーター付き)
- 単3電池ボックス
2.牽引部
- TAMIYAプーリーSセット
- テグス線(12号)
3.スライダー部
- 家具引き出し用スライドレール
- 自由雲台
4.その他パーツ
- TAMIYA ユニバーサルプレート(2枚セット)
(購入した商品のリストはこのエントリー最後に記載しておきます。)
作り方手順
それでは、作り方です。
1.ギアボックスを組み立てる。
ギアの組み合わせで2段階の速度を出力するタイプで、低速(ギア比336:1)の組み合わせにしました。
回転動力を出力するシャフトは、ボックスの左右両方ではなく片方だけを巻き上げに使うので、極端にずらしました。
2.電池ボックスをセットし、ギアボックスのモーターに接続する。
最初は単3電池2本を直列でつなぎ、3Vを供給するようになっていましたが、試すとまだまだ速く回りすぎるので、あとで1本(1.5V)につなぐようにしました。購入した電池ボックスに逆回転もできるスイッチがついているのですが、2本を並列でつなぐようになっていないので、現時点では1本のままです。
3.ユニバーサルプレートにギアボックスと電池ボックスを固定する。
スライドレースの一端に載せる想定で、シャフトの先の爪がだいたいプレートの真ん中あたりになるように固定しました。電池ボックスはコードが届く距離で、あとで追加するプーリーの邪魔にならないようにしました。とりあえず仮止めで。
4.動滑車役のプーリーを支えるプーリーを追加
購入したプーリーのセットが2サイズ入っていたので、2段にして追加。2つのプーリーを結合するパーツがちゃんとセットの中に入っていました。
5.ユニバーサルプレートに雲台を固定
もう一枚のユニバーサルプレートは、スライドレースの可動部分に取り付けます。可動部分の四隅にねじ止め用の穴があいているので、それを使ってプレートを固定しますので、その位置を合わせてみながら、自由雲台を設置したい場所を決めます。
ユニバーサルプレートの穴はカメラ機材標準のねじに比べてかなり小さいので、リーマーでねじが通るまで穴を拡げます。ウチにはドライバーセットの中にあったものを使って拡げました。プレートは結構柔らかいので、割れずにうまく拡げられると思います。
雲台を止めるのに、W1/4六角ボルト用のナットを使います。私はボルト、ワッシャー、ナットがセットになったものを1袋買ってバラして使いました。
6.ユニバーサルプレートに動滑車プーリーを固定
プレートの、ギアシャフトで巻き上げるほうの端にプーリーを取り付けます。同じく2サイズを組み合わせておきました。
7.巻き上げテグスを固定するための軸受けをプレートに固定
巻き上げるギアシャフトと反対側でテグスを止めるのに、プレートのセットに入っていた軸受けパーツを使いました。プレートの留め具をつけたテグスを通して、留め具を横向きにすることで軸受けで止まります。
8.多軸タイプの軸受けでプレートの下にスペースを作ります
自由雲台を固定するのに、プレートから顔を出したねじをナットで止めているので、その分の高さを確保するのに多軸タイプの軸受けを下面左右の端に下駄を履かせるように固定します。
9.スライド可動部に雲台付きプレートを固定
スライドレールの可動部分の四隅にあるネジ穴をつかって、自由雲台の載せたプレートをレール可動部分に固定します。
10.動力部プレートをスライドレールに追加
スライドレールの端に固定用のねじ穴は1つしかないので、そこだけ止めても左右に回せてしまいます。そこで、余っている多軸タイプの軸受けを下にあてがい、3点で止めました。真ん中はスライドレールの穴を通してずれないようにします。
11.テグス線を適度な長さに切り、セットする
可動部分を動力部プレートとは逆の端に寄せ、そこから2つのプーリーを通してギアボックスのシャフトに届くような長さに切ります。
切ったテグス線の片方にユニバーサルプレートの留め具などをつけて、軸受けを通しつつ引く力で止まるように引っ掛けておきます。そのままテグス線を引きながら2つのプーリーを通し、端を輪にしてギアボックスのシャフトの爪に引っかけ、電源をいれてシャフトを回し、たるみがなくなったところで電源を切ります。
以上で、完成です!
実際に使うには、スライドレールをカメラ三脚などに載せるなどをして任意の場所に設定できないといけないのですが、それはまた次回に。
ウチではVelbonの三脚につけて、斜めに上らせながらExilim ZR-1100でタイムラプス撮影をしてみました。その習作はこんな感じです。
購入したアイテムリスト
タミヤ ウォームギヤボックスHE
http://amzn.to/1naTsH2
タミヤ単3電池ボックス
http://amzn.to/1naU0fS
タミヤユニバーサルプレート(2枚セット)
http://amzn.to/1naUnah
タミヤプーリーセット(S)
http://amzn.to/1naUEtT
テグス線(12号)
http://amzn.to/1naWjzy
以上、購入時に各アイテムをおさめたもの。
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スライドレールC115-28
金森金物店(楽天)
http://bit.ly/1naYjYH
Velbon 自由雲台 クイックシュー付き QHD-33Q
http://amzn.to/1nb8EUD
六角ボルト/ナット/ワッシャー W1/4 x 16
(太さ1/4インチ、長さ16ミリ)
http://amzn.to/1nb2OCw
(以下8/3追記)
トータルで
- 動力系パーツ:約3,000円
- スライドレール:約3,000円
- 自由雲台:約4,000円
計約10,000円
でした。最終形で販売されている自由雲台が一番高いですね。クイックシューなどにこだわらなければ、2,000円程度で見つけられると思います。
(追記以上)
以上、参考になりましたら幸いです。