ソーシャルメディアの本当の力は「消費者自身が持つ舞台」にある

ソーシャルメディアの到来を「Engage」というワードで表現し始めた(少なくとも私は彼のブログエントリと著書がきっかけでした)Brian Solis氏のエントリがいつも読み応えあるのですが、少し前になる「Social Media is not Going to Save Your Business」は、このビジネスに関わる方にとって大事なことを示唆していると感じましたので、簡単に内容をご紹介します。

Social Media is not Going to Save Your Business

私はこのエントリのタイトルを「ソーシャルメディアが(そのまま)あなたのビジネスを救うわけじゃない」と読みました。

引用の「ソーシャルメディアなんて誰かが何を食べたなんていう情報をシェアしているだけで、誰も聞いてない。それにMyspaceやBebo、Friendsterを見てみなよ。すでにGoogle+がFacebookを脅かし始めているし、エンドレスになっちゃうでしょ。」を承けて、ソリス氏は「そんなことはない。ソーシャルメディアって単なる一時的な流行りものや、ナルシストのためだけのものでもない。次にやってくるものの影に怯えるものでもない。」と反論しています。(この引用元、ちょっと探してみたけれど見つからず。ソリス氏が創作したものかもしれません。)

 「ソーシャル(メディア)は日常茶飯事として扱われる技術が積み重なってできあがったもので、企業がそれらを見失うと、消費者行動が進化していくデジタル進化論(Digital Darwinism)についていけず、置いていかれてしまうだろう」と。

 多くの企業がソーシャルメディアの可能性を消費者にリーチできるツールとして認識しつつあるけれど、それがファンやフォロワーの数一辺倒になっているきらいがあり、誰とどうつながるのか、ということに議論が及ばないことに注意を促しています。もっと大事なのは、つながった消費者たちがそれぞれ独自にもっているネットワークに対してどのように情報伝達をしてくれるのかということで、ブランドサイドが用意した舞台の上に集まってもらうことより、消費者自身が持つ舞台に、どのようにブランドを取り扱ってもらえるのか、が重要なのだと述べています。

 ネット上のコミュニケーション施策について、どのようにその成果を評価していくのか、しっかり考えていくとファンやフォロワー、「+1」の数なのか?トラフィックではなく、消費者とどうつながっていくのかをもっと戦略的に考えていく必要があるでしょう。エントリの最後は、こんな問いかけで終わっています。

 2012年の顧客リレーションをどう定義するのか、検討済みですか?

つながった顧客向けのビジョンとミッションの見直しはもう済んでいますか?

 日本でも本格的にFacebookの企業利用が進みつつあり、またGoogle+のビジネスアカウントの全貌がまもなく見えてきます。Twitterアカウントを運用している法人も少なくありません。どこに力点を置いて、ソーシャルメディアの本当のパワーを味方にできるのか。まだまだスタートラインに立っている状況だろうと思いますので、これからが担当者の腕の見せどころだと思います。

 「量より質」という話ですが、ではその質とは何か、を追求する数年になりますね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする