デジタルマーケティングの強みは、施策を行なった反応や結果を追跡しやすく、その結果からすぐに次の施策やアクションに反映できるところにあります。特にECサイトにとってメールでのセール情報や新商品のお知らせは、売上に直結する大事なコミュニケーションツールです。
メールニュースやメールマガジンのURLリンクに
- どの媒体の
- どの位置に掲載したリンクを
- 誰(どのユーザー)が
クリックしたかを捕捉できるパラメーターを加えておくことで、そのメールの効果やユーザーの興味範囲や購買への関心および意欲を計測することができるようになります。最初の2つはある意味(大多数に)公開されているのでそれほどセンシティブではないのですが、最後の「誰か」というのは個人を特定する重要なデータと言えます。
個人を特定するパラメーターなので、通常はそれを第3者が見てもその個人にたどり着くことができないようにするべきものなのですが、あるオンラインストアからのメールマガジンではメールアドレスがそのまま挿入されていました。
ちょっと気になる商品の紹介でしたので、さっそくメールに掲載されているリンクから商品ページへアクセスし、コメントを付けてTwitterやFacebookに投稿しようとしたとき、チラリと自分のメールアドレスが見えた気がしました。
URLを確認すると、最後のパラメーターにメールアドレスがそのまま記載されています。
- パラメーターが多くURLが長くなっているので最後に入っているメールアドレスがブラウザのアドレス欄には見えていない
- そのページの情報をシェアするのにURL短縮を使っていて、実URLが投稿フォーム内では見られない
という不都合な偶然が重なったこともあって、もう少しで自分で自分のメールアドレスをネット上に公開することでした。
たかがメールアドレスくらい、というふうに思えるかもしれませんが、メールアドレスは様々な登録に使われており、ログインに必要な情報の1/2に相当します。アカウントを乗っ取るために必要な情報の半分を提供することになります。オンラインショップとなると、住所やクレジットカード情報とも紐づいているでしょう。
軽い影響として、本来自分宛に届いたURLをシェアすることで、自分以外の人がクリックしメディア側がそれを計測してしまうことで、自分の行動とは合わないデータが蓄積されるかもしれません。(これにより意外な商品がレコメンドされる、というのは、セレンディピティ的なコンテンツとの出会いを楽しめるかもしれませんけれど。)
自衛するには
認証で使うメールアドレスとメールニュースなどで登録するメールアドレスを使い分けるということもなくはないですが、登録サービスからもメールが届きますし、結局管理できなくなるでしょう。
コンテンツを共有するときに、URLがおかしくないか、を確認するように気をつけるくらいでしょうか。こういったパラメーターが含まれている前提で、毎回それらを除去することを一連の操作の一つとして身につける必要があります。メールアドレスについては、URL短縮サービス側で自動的に削除してくれるようになるとありがたいですね。
マーケティング担当者さまへ
さまざまなツールやシステムを導入し、ユーザーによりよいサービスを提供することを目指していると思いますが、過剰にならないような配慮をぜひお願いいたします。こうしたツールの選定に、個人情報保護という観点を忘れず、再重要項目として評価の上、採用してくださいませ。
コメント
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恐ろしい話ですね。そういう風にアドレスを差し込んでメルマガ挿入URLを生成するツールがあることが、ビックリです。企業側のリテラシー強化も大切ですが、ちゃんと自衛しないといけませんね♪
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